「動画は手段。自分が伝えたいメッセージをじっくり考えてみて 」【ゲスト:KEIさん&Tessiさん】

 

みなさん、こんにちは!TABIPPO編集部の西嶋です。

今回は、3月4日にTABIPPOオフィスで行われたPOOLOの講座講義 「旅から学ぶ!心を動かす映像とコンテンツクリエイター論」の様子をレポートします。登壇者は、旅するクリエイターのKEIさんとコンテンツクリエイターのTessiさんです。※ゲストプロフィール詳細は、文末に記載しております。

 

KEIさんとTessiさんの紹介

KEIさんは、旅する動画クリエイターです。大学4年生のときにバックパッカーとして世界一周した後、「映像×旅」の領域で活躍してこられました。映像を始めて3年目の今では、表参道のエキナカや渋谷のスクランブル交差点で作品が放映されるまでになっています。

そんなKEIさんですが、もともとはTABIPPO.NETのトラベルライターでした。映像を専門的に学んだことはなく、世界一周に出たとき、インスタグラムのフォロワーはわずか300人だったそう(2020年3月時点で1.7万人)。

Tessiさんは、無人島開拓者、クリエイティブディレクター、マルチクリエイターなどの肩書を持っています。23歳で無人島キャンプを経験したことをきっかけに、2017年には無人島開発のために大学を中退して和歌山へ移住されました。

今では、無人島開発プロジェクトのクリエイティブディレクターとして、「無人島から日本を元気に」をコンセプトとした動画の企画・撮影・編集を担当。毎朝、無人島開発の様子を収めた動画をYouTubeにアップしています。

 

Q. 動画制作を始めたきっかけは?

大学で広告論やメディア情報論を研究していて、「人の心は何に動くのか」を考えるのが好きだったKEIさん。3年前、世界一周の旅が終わって日本に帰国したとき、「今、みんなどんな広告を見てるんだろう?」という疑問を抱きました。

さて、結果はどうだったでしょう?なんと、誰も広告なんて見ていなかったのです。誰も彼も、スマホに目を奪われていました。

またKEIさん自身も、どんな奇抜な広告が表示されてもまったくスクロールをやめない自分に気付きました。唯一、目を引いたのは、犬がキャラクターの着ぐるみを着ている動画。その発見をきっかけに、「動画の時代がやってくる」と直感したそうです。

Tessiさんが初めて動画に触れたのは、4~5年前、学生時代のこと。当時はまだ、SNSは動画にシフトしておらず、テキストメインのFacebookが主流でした。

そんなタイミングで、YouTubeが「好きなことで、生きていく」と銘打った広告を打ち出します。その広告を見たTessiさんは「動画の時代がやってくる」と直感し、動画をいかに価値化していくかを考えるようになりました。

といっても、初期に作った動画は、友人に見せて楽しむものだったそう。のちに4Gが登場し、インフラが整ってきたタイミングで、「さて、どういうものを届けよう?」と考え始めることに。クライアントに価値を提示して仕事につなげるようになっていったそうです。

 

Q. おふたりはブランディングが上手なイメージがありますが……。

KEIさんは、「フリーランスは、空き時間の使い方がブランディングにつながる」といいます。「休み時間にただ休んでいるか、なりたい自分になるために時間を使うか。僕は、仕事じゃなくても、旅をして映像を作って発信しています。その発信が次の仕事につながっているんだと思う」。

KEIさんはまた、「自分の理想像をうまく演じれば、理想の自分に近づける」と考えているそう。4年前のKEIさんは、英語が話せず、一人で飛行機に乗ったこともありませんでした。それなのに、「世界を飛び回る男になりたいから」という理由で、一人で海外に旅立ったのです。

その後も、時間とお金を投資し、なりたい自分を演じ続けるようにしています。理想の自分を常に意識して行動力を上げるべく、毎年バケットリスト(死ぬまでにやりたいことリスト)を書いたり、「今日すべきこと」を書き出したりすることも心掛けているそう。

Tessiさんは、「ビジョンがあることが大事。僕は発着点を意識しています」と教えてくださいました。その理由は「スタートとゴールがあれば、道は自然とつくられるから」。

スタートの見つけ方は、原体験を探すこと。Tessiさんは、「どうして旅を仕事にしたいんだろう?」「どうして作品を世に出したいんだろう?」と自問自答し、深掘りしていった結果、「旅人になりたいという夢を否定されたこと」が原体験だと気づきました。

学生時代にバーでアルバイトしていたTessiさんは、とあるお客さんに「将来は何がしたいの?」と聞かれ、「旅人になってみたいんです」と答えます。すると、お客さんは「何言ってるの。もうちょっと真面目に考えたら」と全否定。

Tessiさんの原体験は、その会話でした。旅人の社会的価値が低いから、あんなことを言われたのだろう。じゃあ、動画クリエイターとして、旅を仕事にできれば、旅人の価値を上げられるのでは――そう考えたのです。

 

Q. どうしておふたりの動画は素敵なんでしょう?

KEIさんは、コンテンツを「人が困っていることを解決する情報」と定義しています。メイク動画なら「可愛くなりたい」というニーズを、おもしろ企画系の動画なら「この先、何が起こるのかを知りたい」というニーズを満たしていますよね。その考えのもと、「誰かの課題を解決するコンテンツを届けること」を常に考えています。

KEIさんによると、人の心を動かすコンテンツの条件は2つ。「ロジカル(に説明されて納得する」と「マジカル(=ワクワクする)」です。

たとえば「高額なイメージがあり、20代に刺さりづらい」という課題を持つ、クルーズ船のPR動画を制作したとき。登場する女の子たちの足が階段を駆け上がるシーンを入れたり、船内でできるアクティビティをたっぷり見せたりすることで、ワクワク感を演出しました。

 

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Tessiさんは、「メッセージ性を付与して動画に深みを与えること(=コンセプトを設定すること)」を意識しています。

無人島開発の様子を動画で発信することは、2017年に一度チャレンジしているものの、うまくいかなかったそう。Tessiさんはその理由を、「ユニークだしバズるんじゃない?というノリでやっていて、メッセージ性を込めていなかったから」と分析しています。

そこで今回の「むじんちゅTV」では、「無人島から日本を元気に」コンセプトメッセージを設定。加えて、動画を見てくれた人にアクションを起こしてもらうために、「あえて目線を下げて自分ごとにしてもらうこと」も意識しています。実際、YouTubeを見て連絡をくれた人たちも開発に加わってくれているそう!

 

Q. 人生において大切にしていることを教えてください。

KEIさんは、「フリーランスは毎日夏休みみたいな人生だからこそ、この夏休みをどんなものにするかは主人公次第」だと考えています。「誰かと自分を比べるのは無駄。理想の自分と比べて、今の自分に足りないものを考えよう」というスタンスだそう。

Tessiさんが大事にしているのは、「行動指針を定める」こと。ここ2~3年は「Dramaticな日常を。Cinemaicな人生に。」というライフコンセプトを設定し、常に意識するようにしています。コンセプトを意識することで、ブレることなく決断・行動ができるんですね。

 

Q. 最後に、メッセージをお願いします!

KEIさんとTessiさんが口を揃えておっしゃっていたのが、「動画は目的ではなく、手段。何を伝えたいのかをじっくり考えて、それにぴったりの手段を選ぶべき」ということ。

そのうえでKEIさんは「自分がしたいこと・なりたい姿から逆算して、伝えたいメッセージを動画やテキスト、写真などの手段で伝えればいい」。

Tessiさんは「動画の時代だから、動画は稼げるから、という理由で始めるのもいいけど、それだとブレてしまう。自分が伝えたいことや、自分の人生を通して何を表現したいのかをベースに手段を選んでほしい」というメッセージをくださいました。

 

ゲストの紹介


映像クリエイター・トラベラー。 大学4年生の時にバックパッカーとして世界一周を経験(44ヶ国)。その後「映像×旅」の魅力に気付き、世界中で自身の旅の様子を展開。現在は、海外と日本のデュアルライフに挑戦する25歳。

 


《Adventure》 《Island》《Co-Creation》をキーワードに生きるクリエイター。「旅する無人島開拓者」としてロマンのある生き方や遊び方をSNSやYouTubeで発信している。 ゼロイチで物事を創り上げることが好きで、現在は和歌山県に移住して無人島の開発をしている。

次代のイノベーションは競争ではなく共創から生まれると考えており、若者を中心に共創文化の体感と浸透のためのコンテンツを提供。 旅人の共創コミュニティ「TREC」を発足し、そのチーム運営や企画のプロデュース・ディレクションをおこなう。 旅や冒険、自然や人との触れ合いから得た自身の感性・思想を最も大切にしており、独特なゆるさとマイペースを決して崩さない性格。

Text:西嶋結